2013年6月3日月曜日

随庵コレクション(第4回)


白球ほどに弾んで若い胸元              幸市

夜の雪が目にきて白い                 啓司

潮満ちてもやい網が潮にふれる            啓司

神さまも透けて見える神社の木立            ゆ

タバコの煙を急いで追い越す               ゆ

ここにも犬ふぐりと遠くで呼んでいる          水娥

光琳の屏風見てからの春の海             水娥

両手ですくった水を花に墓に(顕信十七回忌)    敬雄

あたたかくなって雲高く流れる              敬雄

朝の階段にバッグが帰っている             裕子

桜餅食べる茶髪の卒業間近               裕子

言葉なくてなにもいわない(老人ホーム)        昭代

疲れた顔をしている渋谷駅の鏡            ふゆこ

棺桶を打つ釘がまがる                  へら彦

寝付くを待つベットの薄いふくらみ             操子

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