・・・馬場古戸暢
長い葬列の後ろは冬の雨になっている 幸一
多くの人が故人を偲びにやって来たのだろう。ふと葬列の後ろに目をやると、いつのまにか外では雨が降り出していた。寂しさを助長させる。
帰る時刻の引き潮の岩の形 恵子
海辺に遊びに来たのだろう。ちょうど帰るその頃に、岩がきれいに外へあらわれた。こんな形をしていたのかと、夕陽を背に帰路につくのだった。
よく見れば石もいろいろ 多喜夫
当たり前すぎるが、採る。こういう句を読みたい(詠みたい)時もあるのである。
障子の明るさも春になった 水娥
共感できた。障子にも四季があるのだ。
この年でこの町に来てぺんぺん草 へら彦
自身をぺんぺん草に投影させたか。歌いたくなる句である。
歩き始めた電話は春の雨の日 暁子
春の雨が祝福しているかのようである。この子の未来に幸多からんことを。
0 件のコメント:
コメントを投稿